表面波探査法による住宅地盤調査のビイック株式会社

1月の標語「震年、お見舞い申し上げます」

 ご存じのように元旦に石川県能登半島に震度7の大地震が発生しました。震災により犠牲となった方々とご遺族の方に哀悼の誠を捧げます。また、被災をされておられる方々に心よりお見舞いを申し上げます。

 過去の大震災を振り返ると、1923年の関東大震災は火事による犠牲者が最も多く、1995年の阪神大震災は住宅倒壊による犠牲者、2011年の東日本大震災は津波による犠牲者となっています。今回の能登半島大震災も阪神大震災と同様の住宅倒壊による犠牲者が最も多いように思います。

 熊本県益城町での震災後に周辺を見て回ったことがあります。益城町役場の北東約500mのところにある辻の城地区においては比較的被害が少なかった印象ですが、重量のある瓦葺き屋根の住宅は軒並み倒壊している状況でした。他方、岩盤の上に建っている築50年以上の住宅は全く被害を受けていませんでした。これらのことから、屋根を軽くするだけでも地震に対して有効であると言えますし、耐震性の高く無い住宅でも固い地盤の上に建てられていると被害を受けないということを知りました。私が在住している東京都青梅市は今でも多くの「蔵」が残っています。「蔵」は藁と粘土や土で作られており火事に対しては効果があるものの、耐震性は期待できません。しかしながら、現在も残存する「蔵」を利活用されている光景を見ると岩盤の上に建てられた築年数の経過した住宅と同じ状況であると感じました。

 防災科学技術研究所から今後30年以内に震度6弱以上が発生する地震の確率を示した日本地図が公表されています。これまで震災となった神戸、仙台、能登の地震発生確率は、黄色表示で0.1~3%程度でやや高い確率となっていました。関東から東海地方にかけて赤色表示で26~100%の高い確率となっている地域に目を奪われて、黄色表示であればまあ大丈夫であろうと考えてしまうのは私だけでしょうか。今のところ、「いつ」・「どこで」・「どのくらいの地震が発生する」という正確な地震予知が出来ないため、近隣でも大地震が発生しうることを考慮し、減災をするための備えが必要だと強く感じました。

 平時であれば直ぐに駆けつける救助隊も、一旦有事が発生すると救助を必要とされる方が多くなり、救助隊の到着を期待するもののいつまで経っても救助隊は到着できないという状況になります。そのため、「自助、共助、公助」という言葉通り、まずは自分の被災を最小限とすることと、そして可能な人は他人を救助することが重要になってきます。また震災が発生すると、被害者の救助、被災後の生活空間の確保、支援物資の円滑な提供など、次から次へと必須状況が変化していきます。「自分に限って・・・」と考えてしまう人は多いと思います。しかし、「明日は我が身」と自分に言い聞かせて、防災への備えをしていくことをしていきたいと思います。そして、これまで日本は多くの災害を受けて来ましたが、その都度人々は協力し合い、助け合い、励まし合いながら乗り越えて来ました。今回の震災でも再び多くの人々の絆が結ばれて、一日も早い復興を心から願ってやみません。

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