ひるあんどん

2020.10.21道路陥没

記事作成者:
富岡直人
ts260085

10月18日(日)のニュースで、東京都調布市で道路陥没が発生したと報じられました。

幅5m、長さ3m、深さ5mとされる陥没は、すでに復旧されていますが、

陥没の発生原因が不明であるため、復旧されたことで終息したとは、とても言えない状況です。

このような道路の陥没は、なぜ生じるのでしょうか。

発生原因は一つではなく、

1)当該地付近における地下水の減少によって、かつては土と水によって支えていた荷重を現状の土だけでは支えきれなくなって陥没した。

2)当該地付近における水道管の破裂などによって、地中に水が大量に流出、その水の力でもともとあった土が流されてしまい、荷重を支えきれなくなって陥没した。

3)地下深くで行われた工事によって、その工事を行った上側にある土に影響を与え、荷重を支える力がなくなり、下側から上側へとその影響範囲が広がり、影響が地表面付近まで到達して陥没した。

などの事由が考えられます。

今回の陥没の発生原因については、まだはっきりとはしていませんが、外環自動車道の工事が原因である

可能性はあるものと考えられます(シールド工事深さGL-47m)。

新聞などの記載では住民の声として、工事による振動が原因ではないかと考えられる陥没発生以前に道路や家屋に

変状の発生があったとされています。

通常、地中深くで実施されているシールド工事では、地表面に影響が生じることはなく、もしこの道路や家屋の

変状がシールド工事によるものであるとしたら、工事が原因である可能性はかなり高くなります。

ネクスコ東日本が10月19日に公表した資料によれば、陥没地点付近では東久留米層と呼ばれる地層を

9月14日に掘削していたことになっています。

東久留米層は、更新世と呼ばれる年代に堆積した地層で、西から東に向けて深くなる傾斜を持っている地層です。

砂主体層ですが、レキ層や粘性土層を挟んでいるとされています。

東久留米層は陥没発生地点付近のみに分布している地層ではなく、より広い範囲に存在しているので、この地層を

掘ったことが原因であるなら、すでに別の場所でも変状が発生していてもおかしくはありません。

 

ゆえに、陥没発生位置付近での掘削状況に何らかの変化があったのか、確認する必要があると考えます。

 

長々と文面を綴ってしまいましたが、今回の陥没発生について原因が究明されて、対策がなされないと

再度陥没が発生する可能性を否定できませんので、本件についてはしばらくの間、注視していたいと思います。

*参考文献:

第22回東京外環トンネル施工等検討委員会「地表面陥没事象について」令和2年10月19日。

「北多摩地区の地下地質」遠藤、川島、川合、応用地質36巻4号、1995。

「東京都区部の深部地盤構造とシルト層の土質特性」遠藤、中村、土木学会論文集No652、Ⅲ-51、185-194、2006。

*本稿の写真は、調布市の陥没を写したものではありません。イメージとして載せたものであることをご了承ください。

 

 

 

 


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