ひるあんどん

2020.10.27地震について考えてみます

記事作成者:
富岡直人
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地震について少々個人的な考えを述べてみたいと思います。

地震は日本人にはなじみが深く、日本書紀にも「なゐふる」(古い言葉で地震のこと)についての記載があります。

特に西暦684年に発生した白鳳地震(南海トラフの巨大地震とされる)についての記述では、建物の倒壊、山崩れ、河涌く(液状化のことか)、死傷者多数が生じたこと、伊予の温泉が止まり、土佐で田畑が海中に没したという記録が残されています。

日本最古の南海トラフの地震についての被害記録、とされています。より古い地震の記録もありますが、被害についての記載がある地震として、白鳳地震を取り上げました。

人が記録を残すようになった時には、すでに地震が知られていたわけですから、日本人は昔からこの地震と付き合ってきたことが分かるのですが、そうしたことを考えると古い建物が良く残っているものだと感心します。

西暦607年に建立された法隆寺は、670年に焼失したという記録もありますが、これには反対意見もあるためここでは607年築として話をすすめます。

いずれにしても建立から、1400年程度の時間が経過しています。

この間、先に述べた白鳳地震をはじめ、1099年康和地震、1361年正平・康安地震、1449年山城・大和地震、1596年慶長伏見地震、1707年宝永地震、1854年伊賀上野地震などの地震を乗り越えてきています。

この間、法隆寺では火災等による部分的な焼失と建て替えはありましたが、西院伽藍は世界最古の木造建築物の集まりとされており、地震による大きな被害を受けたという記録は残されていません。

当時最高の技術で建築された建物であることは間違いありませんが、仏教観に基づいて建築されたと考えられていますので、意図的に耐震性をも考慮していたのかはわかりません。

特に建築物群の中で最も高さが高いわりに床面積の小さい五重塔は、かつて日本国内において地震で倒壊した事例がないため、地震に強いとされていますが、本当に耐震を考慮されているのか理論的には解明されていません。

さて、このようなことを考えると、一概には木造建築物が地震に弱い、とは言えないのだろうと思います。

法隆寺は、1400年もの時間を耐えてきたのですから、素晴らしい技術で造られたの一言でしょう。

そして、はるかに技術が進んだ現代で、長年にわたって培われてきた木造建築技術によって、すぐれた木造建築物を生み出すことができない、ということはないと思います。

ゆえに我々が、普通に利用できる技術で建てられた住宅が、地震に強く何世代かにわたって住み続けることができる、そういう時代が来つつあるのだと考えています。

 

 

 

 


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