土地の選び方のポイントは、周辺環境や立地、災害リスクなどの確認です。なかでも見落とされやすいのが「地盤の状態」で、軟弱な地盤に建物を建ててしまうと、将来的に補強工事や修繕が必要になり、多額の費用が発生するおそれがあります。
土地の選び方は、理想の住まいや資産価値を左右する重要なポイントです。立地や周辺環境、法的規制など、押さえるべき基礎知識を知らずに購入を進めると、後のトラブルや後悔につながる可能性があります。
本記事では、失敗しないための土地選びのコツやチェックすべき項目をわかりやすく解説します。
土地選びする際のチェックポイント
土地を購入する際には、価格や場所だけで判断せず、さまざまな視点から慎重にチェックすることが大切です。周辺環境の利便性や騒音、土地の面積や形状・高低差、正確な境界線の有無などは、住み心地やトラブル回避につながります。
また、災害リスクや道路との接道状況、地盤の強度、建築に関わる法規制、上下水道や電気などのインフラ状況も見落とせません。ここでは、土地選びで確認すべき主要なチェックポイントを詳しく解説します。
周辺環境
周辺環境は住みやすさに大きく影響するため、土地選びの際は必ず現地を訪れましょう。スーパーマーケットやコンビニなどの日常的な買い物施設、病院や郵便局といった公共施設との距離を確認します。
子どもがいる家庭では、学校までの距離も重要です。また、騒音や匂い、治安は現地での体感が肝心であるため、実際に足を運ばないとわからないことも多いでしょう。交通量の多い道路やパチンコ店が近いと騒音の懸念があり、街灯の有無や落書きの有無も治安の目安となります。
面積・形状・高低差
土地の面積や形状は、家の規模や間取りに大きく影響します。整形地は設計の自由度が高い一方、価格が高めで人気です。
不整形地は設計に制約があるものの、価格が安く日当たりのよい土地が見つかることもあります。また、高低差のある土地では盛土や擁壁工事が必要な場合があり、費用や安全面の確認が不可欠です。現地では地形や災害リスクもチェックしましょう。
境界線
隣地との境界線が不明確な土地は、購入後に近隣トラブルの原因となるため注意が必要です。登記簿や確定測量図、境界標の有無を確認し、境界が未確定の場合は売主に測量を依頼しましょう。塀や垣根など越境物の有無も確認し、不明点は仲介業者や専門家に相談する必要があります。
災害リスク
安全な暮らしのためには、土地の災害リスクも事前に確認が必要です。市区町村が公開するハザードマップを活用すれば、洪水や地震、土砂災害などの危険度が一目でわかります。
土地探しの段階で確認しておくことが大切です。過去の災害履歴もあわせて調べておきましょう。
こちらの記事では、ハザードマップの種類について解説しています。
そのほかの防災情報についても取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。
土地に接している道路
土地に接する道路は、注文住宅の建築に大きく影響します。建築基準法では、建物が道路に2m以上接していることが必須で、幅員4m未満の道路ではセットバックが必要です。
また、道路が公道か私道かも確認しましょう。私道の場合は新築時に近隣住民の許可が必要になることがあり、事前の確認が重要です。
参考:e-GOV「建築基準法」(https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000201#Mp-Ch_3)
地盤の状況
建物の安全性を確保するため、地盤の強さの確認は必須です。軟弱な地盤に建物を建てると、地震や土砂崩れなどの自然災害の影響を受けやすく、建物が傾いたり、最悪の場合には倒壊したりしてしまうリスクがあります。
そのため、地盤調査を行うことは、建物を安全に保つための基本的なステップです。地盤調査は売主の承諾があれば購入前に実施可能ですが、承諾が得られない場合はハザードマップや古地図で土地の状況を事前に調べましょう。
法規制
土地探しをする際には、さまざまな制約を確認することが非常に重要です。土地には、使用目的や建物の大きさ、形状に制限がある場合があります。たとえば、土地の利用方法や建物の高さ、周囲の環境に配慮した制約が設けられていることがあります。
これらの制約によって、希望する建物を建てることが難しくなる場合もあるため、土地を購入する前に事前に調査を行い、必要な情報を得ておくことが大切です。
インフラ
土地を選ぶ際は、上下水道・ガス・電気などのインフラが敷地内に引き込まれているかを確認しましょう。整備されていない場合は、引き込み工事に費用がかかります。
既存の建物があった土地はインフラが整っていることが多いですが、郊外の土地やオール電化住宅ではガスが引き込まれていない場合もあるため注意が必要です。
土地選びで知っておきたい基礎知識
土地選びを始める際には、建物を建てるうえでの法的な制限について理解しておきましょう。とくに、確認しておきたいのは「用途地域」「建ぺい率・容積率」「高さ制限」の3つが挙げられます。
建てられる建物の種類や大きさ、配置に大きく関わる重要なポイントです。購入後に「希望の家が建てられない」といったトラブルを防ぐためにも、あらかじめ基礎知識を押さえておきましょう。
用途地域
用途地域とは、土地の使い道に応じて定められた13種類の地域区分です。用途地域を見ることで、そのエリアの住環境をある程度把握できます。
住居系は8地域あり、静かで落ち着いた暮らしができるのが特長です。商業系は商業施設が多く利便性が高い反面、にぎやかな環境になります。工業系は工場や店舗が混在し、振動や騒音のリスクもあるため注意が必要です。暮らしやすさを考えるうえで重要な判断材料になります。
参考:国土交通省「用途地域」(https://www.mlit.go.jp/crd/city/plan/03_mati/04/index.htm)
建ぺい率・容積率
土地を選ぶ際に、建ぺい率と容積率を理解することは非常に大切です。これらを考慮しないと、思い描いている理想の建物を建てられない場合があります。
たとえば、広い土地であっても建ぺい率が低ければ、建物の面積を広げることが難しく、容積率が低ければ、建物を複数階建てにすることができません。
また、これらの規制は地域によって異なるため、同じ敷地面積でも土地の場所によって建物を建てられる規模が異なります。
土地を購入する前に、希望する建物を建てるために必要な建ぺい率と容積率を確認し、その土地がどの程度の建築に対応できるかを把握することが重要です。
高さ制限
建物の高さや形状に関わる建築制限のひとつに、斜線制限があります。これは周囲の採光や通風を確保するためのもので、道路斜線・隣地斜線・北側斜線の3種類から成り立っているのが特徴です。
これらの制限によって、希望する階数の家が建てられなかったり、建物の上部を斜めに削るような設計を求められたりする場合もあります。理想の住まいを実現するには、あらかじめ斜線制限などの建築制限を確認しておきましょう。
土地選びで失敗しないコツ
土地選びは、将来の住まいや投資に大きな影響を与える重要な決断です。理想の土地を見つけるためには、単に外観や立地条件だけでなく、さまざまな要素をしっかりと考慮する必要があります。
選択を誤ると、後の生活に不便を感じたり、大きなコストがかかったりすることもあります。ここでは、土地選びで失敗しないためのコツをご紹介します。正しい知識を身につけて、満足できる土地を選びましょう。
最低限の基礎知識をつけておく
土地選びを成功させるためには、まず最低限の基礎知識を身につけておくことが非常に重要です。土地の購入は大きな決断であり、後悔しないためには事前に理解しておくべきポイントが多くあります。
とくに、自分で土地を探す場合は注意が必要です。不動産会社は土地に関する詳細な情報に精通していますが、必ずしもその土地に自分が希望する家を建てられるかどうかまでは判断できない可能性があります。
そのため、土地選びにおいて失敗しないためにも、最低限の基礎的な知識を事前にしっかりと身につけておくことが大切です。
希望条件の優先順位をつけておく
土地選びを成功させるためには、まず自分の希望条件に優先順位をつけておくことが重要です。理想的な土地を探す際、希望する条件が多ければ多いほど、どれも完璧に満たす土地を見つけるのは難しくなります。
また、予算とのバランスも重要な要素です。予算内で希望条件をすべて満たすことが難しい場合は、最も重要なポイントに絞り込み、他の条件は妥協する覚悟が必要です。
現地には何度も足を運ぶ
気になる土地を見つけたら、必ず現地を訪れることが大切です。時間帯を変えて複数回確認することで、昼と夜の雰囲気や安全性、住民の様子などが把握できます。
昼は魅力的でも夜は街灯が少なく不安を感じることや、近くの病院のサイレン音が気になることもあるでしょう。さらに、徒歩で通勤・通学ルートを歩くことで、踏切や周辺環境の問題点にも気づけます。購入を急ぐ前に、現地確認をしっかり行いましょう。
まとめ
土地選びでは、周辺環境や地形、法規制などの基本的なチェックに加えて、建物を建てる上での条件やリスクを総合的に見極めましょう。
とくに、見落としやすいのは地盤の状態で、軟弱な地盤に建物を建てると、後に補強や修繕など多大な費用がかかる可能性があります。そのため、購入前に専門的な地盤調査を行うことが安心につながります。
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