都市計画道路予定地は将来道路として整備される土地で、相場より1割程度安く購入できる一方、建築制限があります。計画の2段階(計画決定・事業決定)や調べ方、税制メリット、地盤調査の重要性まで詳しく解説します。
土地探しをしていると「なぜこの土地は周辺より安いのだろう」と感じる場面があるのではないでしょうか。その理由のひとつが、この都市計画道路予定地に該当しているケースです。魅力と不安が共存する土地でもあるため、特徴を正しく理解することが大切です。
本記事では、都市計画道路予定地とは何か、その確認方法、購入するときに知っておきたいメリットとデメリットを解説します。
都市計画道路予定地とは?
都市計画道路予定地とは、都市計画法にもとづき、将来その場所に道路をつくる可能性がある土地のことです。自治体は、交通の円滑化や防災機能の向上など、街全体の暮らしをよりよくするために道路の新設や拡幅を計画します。
とくに高度経済成長期に多くの計画が作られましたが、なかには何十年も工事が始まらないままの地域もあり、普段の生活に影響が出るとは限りません。
ただし、計画が進み、工事の着手が正式に決まると、土地は行政によって買い取られ、建物がある場合は補償金を受け取って立ち退く流れになります。つまり、いつか道路になる可能性を踏まえて使う必要がある土地ということです。
出典:デジタル庁ウェブサイト「https://laws.e-gov.go.jp/law/343AC0000000100」
都市計画道路予定地かどうかの調べ方
その土地が都市計画道路予定地に該当するかどうかは、市区町村の都市計画課で確認できます。窓口では「都市計画図」と呼ばれる地図を閲覧でき、多くの自治体ではホームページ上でも公開されています。
不動産を購入する際には、重要事項説明で該当の有無を教えてもらえます。ただし、図面の更新が間に合っていないケースもあるため、最終的には自治体に直接問い合わせて確認することが安心につながります。
出典:大阪府ウェブサイト「https://www11.cals.pref.osaka.jp/ajaxspatial/ajax/」
都市計画道路予定地には2種類ある|進捗状況による分類
都市計画道路予定地は「計画決定」と「事業決定」の2段階に分類され、進捗状況により土地の扱いが大きく変わります。
計画決定は道路整備の計画が決まっただけで、工事開始時期は未定です。
事業決定になると予算が確保され、具体的な工事計画と着手日程が決定します。この段階では都市計画道路予定地部分は原則売却できず、収用手続きが進められます。
計画決定
計画決定とは、道路の位置や幅などの整備計画が公式に決まった段階です。ただし、工事の開始時期は未定で、実際に着手されるまで数十年かかることもあります。
この段階では、土地の売買は通常どおり可能です。ただし、建物を新築する場合は、基本的に都市計画法第53条にもとづき、都道府県知事の許可が必要になります。
また、建築できる建物にも制限が設けられており、原則として2階建て以下、地階の設置は不可です。主要な構造は、木造・鉄骨造・コンクリートブロック造など、移転や撤去が容易な軽量構造に限られます。
出典:デジタル庁ウェブサイト「https://laws.e-gov.go.jp/law/343AC0000000100」
*緩和路線とは
緩和路線とは、長期間にわたって事業化の見込みが低い都市計画道路について、自治体が建築制限を一部緩和した路線のことです。この指定を受けた土地では、原則2階建てまでとされる建築制限が緩和され、3階建て・高さ10m以下まで建築できる場合があります。
制限が緩むことで建築の選択肢が広がり、売却時の買い手の幅も増えるため、土地を活用しやすくなる点が大きな特徴です。詳細は自治体ごとに異なるため、計画地が緩和路線に該当するかどうかは、必ず自治体に確認することが大切です。
事業決定
事業決定は、整備事業に必要な予算が確保され、工事計画や着手時期が具体的に定まった段階です。この段階に入ると、行政による説明会や土地所有者との交渉が始まり、立ち退きに向けた手続きが進みます。
都市計画道路にかかる部分の土地は原則として自由に売却できません。ただし、道路にかからない部分は売却が可能です。事業決定後は該当部分が分筆され、行政によって収用されます。
その際には、土地の正常な取引価格を基準に、建物の再築費用や引っ越し代なども含めた補償金が支払われます。
都市計画道路予定地を購入することのメリット
都市計画道路予定地には建築制限などの注意点はありますが、通常の土地にはないメリットもあります。とくに購入価格が抑えられやすいことや、税制面で優遇を受けられるケースがあり、条件によっては有利に働くこともあります。
相場よりも安価に土地を取得できる
都市計画道路予定地の最大のメリットは、周辺相場より安価に取得できる点です。建築制限や将来の収用リスクがあるため、一般的な市場価格より安く設定されることが多いようです。
事業決定で立ち退きとなった場合も、行政から適正な補償金が支払われます。不動産業界では、立ち退き時の補償条件が良好で、同規模の新築に住み替えられるほどの高額補償が得られるケースも聞かれます。
ただし、これは個別の事情や行政の条件により異なり、保証されたものではありません。
固定資産税・都市計画税・相続税が安くなりやすい
都市計画道路予定地は税制面でも優遇されます。土地利用が制限されるため、固定資産税の評価額が低く算定され、固定資産税や都市計画税の負担が軽減されます。
相続税計算でも大きなメリットがあります。財産評価基本通達24-7にもとづき、地区区分、容積率、地積割合に応じた補正率が適用され、評価額が減額されます。相続税対策として有効な選択肢になることもあるため、具体的な税額は税理士に相談するとよいでしょう。
都市計画道路予定地を購入することのデメリット・注意点
都市計画道路予定地には魅力的なメリットがある一方、購入前に必ず理解すべきデメリットや注意点も存在します。
出典:デジタル庁ウェブサイト「https://laws.e-gov.go.jp/law/343AC0000000100」
建物の規模や構造が制限される
都市計画道路予定地では、建築に厳しい制限があります。都市計画法第54条により、建物は原則2階建て以下、地階は設置できません。
自治体によっては、緩和路線に指定されている場合に3階建て(高さ10m以下)が認められることもありますが、詳細は所在地の自治体で確認する必要があります。
また、主要な構造は木造や鉄骨造、コンクリートブロック造など、移動や撤去がしやすい軽量構造に限られます。鉄筋コンクリート造のような堅固な建物は原則建てられません。建築する際には、通常の建築確認申請に加え、都市計画法第53条にもとづく許可が必要です。
以上のような制限のある土地で建物を建てる場合でも、最も重要なのは、地盤の安全性を確かめることです。軽量構造の建物は地盤の影響を受けやすく、地盤が弱いと不同沈下により傾きやひび割れが生じる可能性があります。
正確な地盤調査を行うことで、適切な基礎設計が可能となり、不要な地盤改良工事を避けられます。
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出典:
デジタル庁ウェブサイト「https://laws.e-gov.go.jp/law/343AC0000000100」
調布市ウェブサイト「https://www.city.chofu.lg.jp/080040/p044055.html」
売却時に相場よりも安くなりやすい
都市計画道路予定地として指定されている土地は、売却の場面で不利になりがちです。立ち退きのリスクや建築制限があることで、購入を検討できる人が限られてしまい、結果として相場より低い価格での取引に至るケースが多く見られます。
さらに、計画が具体的に進んでいるエリアや、道路にかかる部分が大きい土地では買い手が一段と減り、価格が大幅に下がる可能性もあるため注意が必要です。
まとめ
都市計画道路予定地は将来道路として整備される可能性がある土地で、周辺相場よりも安く購入でき、税制面でも優遇されます。一方、建築は2階建て以下に制限され、売却時も価格が下がりやすい点に注意が必要です。
購入前には自治体で計画状況を確認し、地盤調査も行いましょう。
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加えて、調査結果に基づき基礎設計、施工することで最大20年間の地盤保証も付帯でき、安心して建築計画を進められます。ビイックが提供する表面波探査法で地盤調査を実施して地盤の固さを調べ、安全性を確保した上で無駄のない家づくりを行うことが大切です。
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