地耐力とは?基礎判断に必要な地盤調査方法と地盤改良工法について

地耐力とは、地盤がどの程度の重さまで耐える力があるかを表した数値です。地耐力を調べるために採用されるSWS試験や表面波探査法などの地盤調査方法と、地耐力が不足していた時に必要となる地盤改良工法について詳しく解説します。

地耐力は、地盤が建物の重さをどの程度支えられるかを示す基準です。地耐力が不足していると、建物が沈下してしまい傾いてしまうリスクが生じます。
この記事では、地耐力の基本的な概念から、地耐力を調べるために実施される地盤調査方法の種類や特徴と地耐力が不足していた時に採用される地盤改良工法を詳しく解説します。

地耐力とは?
地耐力は、地盤が建物を安全に支えられる限度を示す指標です。地盤が建物の荷重に対して耐えられる力を示す「許容応力度」と、建物の重みによって地盤がどの程度沈み込むかを示す「沈下量」の2つの要素で構成されています。

建物を支える基礎の構造は、地耐力がどれだけあるかによって判断されます。また、地耐力が建物の荷重に対して不足している場合、建物の自重に耐えられず地面へ沈み込んでしまうおそれがあります。

とくに地盤の強さにばらつきがある場合、不同沈下が発生し、壁にひびが入ったり、ドアや窓の開閉に支障が生じたりするなど、建物の寿命に深刻な影響を与えることがあります。

建物の不同沈下を防ぐため建物を建てる際には必ず地盤調査を行い、正確な地耐力を把握することが不可欠です。地耐力の目安となるのが地盤の「許容応力度」で、単位は「kN/m²」で表します。

建築基準法施行令第93条では、地盤の種類ごとに許容応力度が定められています。岩盤は1,000kN/㎡で1㎡あたり約100トンを支えられる一方、粘土質地盤は20kN/㎡と地盤の種類によって大きな差があります。

地耐力の調査方法4選
地盤の地耐力を正確に把握するためには、適切な調査方法を選ぶことが重要です。ここでは、一般的に使用される4つの調査方法について、それぞれの特徴やメリット・デメリットを解説します。

スクリューウエイト貫入試験(SWS試験)
SWS試験は、3.3cmのロッドの先端に円錐状の先のとがったスクリューポイントを取り付けて最大100kgの荷重を加え垂直に地面に貫入させます。その沈み方から地盤の硬軟や締まり具合を調査します。

ロッドは25cmごとに区切られており、それぞれの深さでロッドに荷重をかけ回転させながら貫入させ、半回転数を記録しN値や地耐力に換算します。この操作を繰り返し行い、地盤の状態を連続的に把握していきます。

限られたスペースでも調査が行え、半日程度と短時間で完了するため、戸建て住宅において広く採用されています。

ただし、建物の荷重よりも重いの荷重をかけて地盤を壊しながら計測することから、本来地盤が持っている地盤の固さよりも過少に評価されてしまうことがあります。また、逆に地中に石などの異物がある場合、それを硬い地盤と評価されてしまう事もあります。

地耐力やN値だけでなく沈下量なども計算することで無駄の無い基礎判断を実施することができます。

ボーリング試験(標準貫入試験)
ボーリング試験(正式には標準貫入試験)は、最も精度の高い地盤調査方法です。63.5kgのハンマーを75cmの高さから自由落下させ、サンプラーを地中に30cm貫入させるために必要な打撃回数(N値)を測定します。

1mごとに地盤の硬さを測定し、同時に土のサンプリングも行います。これにより、地層の構成や土質を詳細に把握できます。

中・大規模建築物では、ボーリング試験での地盤調査が行われることが一般的です。
戸建て住宅等の小規模建築物は、SWS試験や表面波探査法での地盤調査が多く採用されています。

平板載荷試験
平板載荷試験は、地盤の沈下量を実際に測定できる調査方法です。基礎を設置する深さまで掘削し、直径30cm程度の載荷板を設置した後、建物の実際の重さに対応する荷重を8つの段階に分けて加えていきます。

地盤に直接荷重をかけるため、信頼性が高く、騒音や振動がほとんど発生しません。

ただし、載荷板の大きさが直径30cmと小さく地中深くまで荷重が伝わらないため、地中深くの状態を十分に把握することはできません。

表面波探査法
表面波探査法は、地盤に振動を与えて地中を伝わる振動の速度を測定することで、地層の境界を把握し地層ごとの地耐力を調べる方法です。

ビイック株式会社は、表面波探査法の技術開発元として30年以上の実績を持ち、独自の2点式計測を採用しています。この2点式では、1cm単位の地層境界や1kN単位の地耐力を精密に算出し沈下量まで計算できる地盤調査方法です。

この地盤調査方法の最大の特徴は、住宅の地盤調査として数多く採用されており精度の高さから無駄のない基礎判断ができる点です。

無駄の無い基礎判断を実施することで、建築コストを大幅に削減できる可能性がある地盤調査方法です。

また、ビイックでは地盤調査結果のセカンドオピニオンにも対応しています。他社の調査で地盤改良が必要と判定された場合でも、表面波探査法で再調査を行うことで過剰な地盤改良を避けることができる可能性があります。

地盤調査の結果に不安や疑問を感じた場合は、ビイックにセカンドオピニオンをご依頼頂くことをおすすめします。

ビイックでは、地盤調査に関するお見積りやセカンドオピニオンなどの相談を受け付けております。お困りの際にはぜひお問い合わせください。

地耐力が不足する場合の地盤改良方法
地盤調査の結果、地耐力が不足していると判断された場合、建物を安全に支えるためには地盤改良が必要となります。ここでは、代表的な3つの改良工法について解説します。

地盤や建物条件で適した工法は異なるため、それぞれの違いを知り、必要な対策をイメージしてみましょう。

表層改良工法
表層改良工法は、軟弱地盤の層が地表から2m以内にある場合に適用される地盤改良方法です。セメント系固化材を軟弱地盤に散布し、地盤の土と混ぜ合わせて改良体を作ることで、地盤の強度を高めます。

表層改良工法のメリット
比較的単純な作業であるため、工期が短くなります。小型の重機を使用するため、狭い敷地でも実施できる点が利点です。

表層改良工法のデメリット
地盤に傾斜がある場合、施工が難しくなります。また、改良の品質は施工技術に依存し、不均一な改良が行われると不同沈下のリスクが残ります。さらに、軟弱地盤が2mより深い場合には適用できません。

尚、先に説明した表面波探査法において改良の効果を確認することができます。

柱状改良工法
柱状改良工法は、軟弱地盤が地表から2m以上8m程度の深さにある場合に用いられる地盤改良方法です。セメント系固化材と現地の土を混合した材料を注入し、柱状の改良体を形成します。

柱状改良工法のメリット
振動が少なく、騒音もほとんど発生しないため、住宅密集地でも周囲に迷惑をかけずに施工できます。工程が少なく工期が短いうえ、しっかりとした施工管理の上施工することで信頼性が高い地盤改良工法です。適用できる地盤の範囲が広く、実績のある工法です。

柱状改良工法のデメリット
セメントを材料とした改良工法であるため有機質土や腐植土が厚い地盤では施工が難しくなることがあるため、しっかり施工を管理する必要があります。また、施工深度は、2~8m程度です。それより深くなると鋼管杭などでの施工を検討する必要があります。専用の施工機械やプラントが必要となります。

小口径鋼管杭工法
小口径鋼管杭工法は、軟弱層が8m以上の深さにある場合に有効な地盤改良方法です。鋼管を支持層まで回転圧入して建物を支える仕組みで、表層改良工法や柱状改良工法では対応できない軟弱層が深い地盤に適用されます。

小口径鋼管杭工法のメリット
比較的小型の機械で施工できるため、一般住宅の地盤改良工事にもよく用いられます。セメント系固化材を使用しないため、固化不良の心配がなく、確実に建物を支持できます。また、施工日数が1〜2日程度と短い点も利点です。

小口径鋼管杭工法のデメリット
支持層が存在しない地盤では施工できません。また、新しい盛土造成地など、圧密沈下が大きい場所では、杭が抜け上がるリスクがあります。また、鋼管を地盤に打ち込む際に、騒音や振動が発生することがあります。

まとめ
地耐力は、建物を安全に支えるために欠かせない見えない土台です。地盤の強度は地表からは判断できないため、適切な調査方法で正確に把握することが重要です。

地盤調査には、SWS試験、ボーリング試験、平板載荷試験、表面波探査法などの方法があります。とくに表面波探査法は、住宅地盤に特化した精密な調査が可能で、無駄のない地盤改良判定ができる点が強みです。

調査方法や判定基準によっては、過剰な改良を提案されるケースもあります。他社の調査で地盤改良が必要と判定された場合、本当にその改良が必要かどうか、セカンドオピニオンとして再調査を検討することも選択肢のひとつです。

ビイック株式会社は、表面波探査法の技術開発元で、30年ほど前から地盤保証を行っています。不同沈下を防ぎ、無駄のない判定を行っておりますので、安心してご利用いただけます。

地盤調査結果の再チェックにも対応しているため、地盤に関する不安や疑問があれば、ぜひ専門家である当社までご相談ください。

*詳細は、ビイックホームページをご確認ください