表面波探査法による地盤調査結果に関して詳しく解説いたします。ご覧いただくと地盤調査報告書の内容を、より詳しくご理解いただけます。

調査結果表の読み方

調査結果は、解析結果から判断した地盤特性、及びこれらを考慮した基礎形状の提案をしています。簡単に読み方を説明します。

地盤支持力を理解しましょう

①測定ポイント図

概略図により調査位置を図示

②調査結果グラフ

地盤の支持力、各測点における深度方向の支持力分布を表しています。

③突棒貫入量

表面波探査法を行うと同時に、長さが110cm、太さが2cmの鉄の棒を地面に刺します。ガラの存在について確認します。

④特記

調査地の特徴や調査の結果について。また、調査の結果何らかの地盤対策が必要であるか否かや、基礎形状について調査及びデータ解析者の考察が入ります。

各測点において、地盤の硬さがどのくらいの深さからどうなっているということが、突き棒の結果とともにまとめられています。次の頁の周辺状況表に示した調査地の状況や概略的な地形情報などから、住宅をどのように建てるべきなのかを判断します。
地盤支持力についての詳しい説明はこちら

コツをつかんでしまえば読むのはカンタン

総合判断はいろいろな要素を含めて行います。表面波探査法のデータだけではなく、調査地や周辺地形がどうなっているなどの情報も加味します。

調査概要と調査方法説明

調査敷地内・近隣周辺状況目視結果表

調査地にて、表面波探査法を実施して、計測を行い、地盤データを収集します。ただし、これだけではこれから建築される住宅の地盤調査としては、不十分です。これは、表面波探査に限ったことではありません。

  • 調査地周辺の踏査(周囲の家屋、道路や塀に異常はないか、擁壁や盛り土の有無、造成の新旧等)
  • 調査地の地形の構成や土質について(資料調査)
  • 調査地は、どのような前歴の土地だったのか(田畑、河川、住宅地等)

表面波探査法の結果とあわせて、造成状況や地域性等を十分に加味して解析・考察を行うことで、より精度の高い基礎提案を行うことができます。

調査配置図

調査配置図は、調査位置を表記する役割がありますが、それだけではありません。表面波探査法を行うと同時に、敷地の状況について写真やメモをとり、解析の1要素としています。これらの情報については、調査地周辺状況表や、調査配置図へ反映します。

調査配置図に反映している項目

  1. 敷地形状
  2. 建物配置位置
  3. 周辺構造物(擁壁、水路、ブロック塀等)
  4. 各測定位置
  5. 近隣地との高低差