ひるあんどん

2019.02.272016年熊本地震

記事作成者:
富岡直人
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早いもので、2016年に発生した熊本地震からあと少しで3年が経過しようとしています。連続2回震度7の地震が発生し、未曽有の被害を受けました。被災された皆様には、改めて心からお見舞い申し上げます。

さて、この地震で被害の大きかった地域において、日本建築学会などが悉皆調査を行っています。この悉皆調査は、地震被害地域すべての建物で行い、被害原因の究明を目的として実施したものです。

悉皆調査の内容は、地震の大きさや人的被害、住宅被害などです。被害原因は、一般的とは言えない専門家の報告書を見ないと確認できないのが現状です。

そのため、複数公表されている悉皆調査の結果について、いくつか見てみました。

 

1)国土交通省国土技術政策総合研究所 「熊本地震における建築物被害の原因分析を行う委員会報告書」より引用

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上の表は平成289月に公表された国総研の報告書から引用したもので、被害の大きかった益城町中心部において木造建築物1955棟について調査を行った結果をまとめたものです。

建築基準法の耐震にかかわる項目が改正された時期で区分しています。古い基準での被害が大きく、新しい基準での被害が少ない傾向を示しています。

 

2)「平成28年熊本地震における熊本県益城町の建物被害および宅地地盤被害の悉皆調査」地盤工学ジャーナルVol.12,No4から引用

 

 次ページに示したのは、地盤工学ジャーナルに掲載された論文から引用したもので、「特に建築物被害が甚大であった益城町役場周辺の南北約900m、東西約600mの範囲で調査を行った785棟のうち、宅地地盤の変形が建物被害の主な要因であると判断されたものが少なくとも130棟確認された」その位置を示したものです。

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*森友宏、松下克也、川崎享志:平成28年熊本地震における熊本県益城町の建物被害および宅地地盤被害の悉皆調査、地盤工学ジャーナル、Vol.12No4pp439-4552017.

 

 こうした資料を比較してみると、住宅に被害が生じた原因として、建築年代の古い住宅の被害が大きい傾向にあること。また、液状化や傾斜地における盛土や擁壁の崩壊による地盤変状と考えられます。地盤変状が発生した場合、建築年代にかかわらず被害が生じてしまうことがわかります。

地震に備えるには、建物の耐震性能も大切ですが、地盤に注意しておくことも大切であることを知っておいていただければと思います。

 


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