地盤地震学会耐震

令和6年能登半島地震

令和6年1月1日、能登半島付近を震源とする地震で最大震度7が観測された地震をはじめ、震度6弱が1回、震度5強が7回など数多くの地震が発生しています(数字は2月5日までのもの)。

この地震で亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。

被災された方には、心よりお見舞い申し上げます。

さて、能登地方では2000年以降、震度6クラスの地震が複数回発生しています。

・2007年3月25日、能登半島地震M6.9、最大震度:穴水町、輪島市、七尾市で震度6強

・2022年6月19日、能登半島の地震M5.4、珠洲市で最大震度6弱

・2023年5月5日、能登半島の地震M6.5、珠洲市で最大震度6強、なお、2022年と2023年の地震は2020年12月以降、石川県能登地方および能登半島沖で発生している能登群発地震の一つとして考えられています。

*広い意味では2007年7月16日の新潟県中越沖地震M6.8、最大震度:新潟県長岡市、柏崎市、刈羽村、長野県飯綱町で震度6強も一連の地震に含められるかもしれません。

令和6年能登半島地震は、地震の規模はM7.6であり、単純にエネルギー量で考えると、兵庫県南部地震や熊本地震本震のおよそ2.8倍の力が働いた地震となります。

上図は気象庁の報道発表資料から引用したもので、1月1日から2月6日までに観測された地震の回数を最大震度ごとにまとめたものです。

35.5日間で有感地震の数は1500回を越えています。

これらの本震と付帯する地震によって被害が拡大しています。

消防庁が2月7日14:00に公表した地震の被害情報をまとめた表を示します。

この被害状況は、あくまでも2月7日14時の時点で確認されている数字です。

*上表は令和6年度能登半島地震による被害お呼び消防機関等の対応状況(第65報)より引用。

 

上の図は、気象庁が公表した、2020年12月1日から2024年2月5日09:00の間に発生している地震の震央(震源の真上に当たる地表の地点)をまとめたものです。

何処で地震が発生していたのかよくわかります。

 

これだけの地震が発生する(赤印は1月1日以降に発生)だけのエネルギーが、今回の震源付近には残っていたことを示しています。

問題は、このことで地震を発生させるだけのエネルギーが消費されたのかどうか、ということになります。

蓄積されたエネルギーの消費が不十分である可能性、近隣に存在する断層に影響を与えている可能性があり、誘発地震が発生する可能性もあるので、もうしばらくの間は注意が必要であると考えられます。

 

*表紙に利用した図は、気象庁が1月25日に公表した「令和6年能登半島地震における震度について」という報道発表資料より引用させていただきました。

 

関連コラム