地盤はいろいろな特徴を持っています。
この特徴というか性質を示す地盤として、沖積層と区分される地盤があります。
難しく言うとウルム氷期の最大海面低下以降に堆積した地層のことを言い、判りやすく言うと河川などによって運ばれて堆積した最も新しい地層のことを言います。
それでも難しいと思いますが、河川沿い(特に下流、海の近く)に発達した平地や低地のことで、農耕民族である日本人が生活する上で利用しやすかったことから、多くの都市がこの新しい地層を中心とする場所に形成されています。
東京、大阪、名古屋、広島などなどがこの沖積層を中心として発達した都市になります。
河川があることによって、水が得やすいことから生活や農耕には適しており、集落を育むには適していた、ということがこうした都市の形成や発達に寄与したのです。
一方、沖積層を主体とする地盤には、新しさゆえの特徴が存在します。
締まった地盤が少ないこと、地中に水の存在が多いことなどが特徴として挙げられます。
このため、建物を建てる際には地盤に建物を支える力が不足して、杭が必要になるとか、地震の時に液状化しやすい場合があるなど、人々が生活する上で支障となることが生じることがあります。
先に示した写真や下の写真は、液状化の発生によって地盤に変状が生じて、建物などがその影響を受けているものです。
沖積層は、平地や低地を成す地層であり、その特徴ゆえに災害に見舞われることもありますが、山間部や丘陵など傾斜を伴う場所の多い日本では生活人口の最も多い場所でもあります。
今後は新しい技術などを用いて、より有効に活用されていくものと考えています。