地盤地震学会耐震

千葉県南部を震源とする地震

気象庁は、令和5年5月11日04時16分頃に発生した千葉県南部の地震についての公式見解を以下のサイトで公開しています。

https://www.jma.go.jp/jma/press/2305/11b/202305110615.html

千葉県南部を震源とするM5.2の地震で、断層型の地震ではなく、フィリピン海プレート内部の歪を震源とする地震です。

この震源の近隣では過去に多くの地震が発生しており、相模トラフを震源とする関東地震の震源域とも重なっています。

地震多発地帯での歪の一つでエネルギーが解放された地震となりますので、類似の地震が発生する可能性は否定できないものと考えられます。

この図は、気象庁が公開している震度4以上の揺れを観測した場所を示した震度分布図です。

房総半島東部に震央があるにもかかわらず、最大震度は房総半島西部で観測され、千葉県内でも一部であった震度4の範囲が東京湾を超えて東京都内や神奈川県内にも存在しています。

 

注)上図内における茶色の細線は、地震調査研究推進本部の長期評価による活断層を示す。上図における黒色の点線は、海溝軸を示しています。

上の図は、25年間余りの間に発生したM2.5以上の地震の震央を示した図です。

今回の地震の震央付近でも多くの地震が発生していることがわかりますし、北東側にずれた場所では今回の地震と同程度の規模の地震が2016年と2019年に発生していることがわかります。

注)上図についての詳細は、先に記載したリンク先にある気象庁報道発表資料をご参照ください。

 

今回の震央と過去の被害地震の震央を示した図です。

江戸時代中期以降の主要な地震が記載されており、よく耳にする首都圏直下地震と言われる地震を表しています。

1923年以降、関東地方の陸地及び近海を震源とするM7クラスの地震は発生していません。

そのことが首都直下地震の発生確率が30年以内に70%となっている判断材料の一つとなっています。

なお、この千葉の地震によって他の地震が誘発される可能性は、低いですが全くないわけではありません。

関東周辺には、既知の断層以外にも多くの歪(地震の震源となりうるもの)が存在しており、こうした地震がそれぞれの歪にどのような影響を与えるのかについては、まだまだ研究段階です。M5クラスの地震が地表面に大きな影響を与える可能性は少ないとは思いますが、複雑なメカニズムのため断言することはできません。

また、今回はM5クラスでしたが、今後M6クラスやM7クラスが発生しないと断言することもできません。

実際に茨城県南部では、1895年と1921年にM7クラスの地震が発生しています。これらも今回同様プレート内部の地震であるとされており、歪によるものと考えられるものです。

この茨城南部の地震と同様なことが千葉県南部で発生しないとは、断言することはできません。

 

このため、私たちにできることは、地震に備えて準備しておくことだけであると考えていただければと思います。

 

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