地盤地震学会

2月13日福島県沖の地震について

2月13日の夜23時過ぎに最大震度6強の地震が福島県沖で発生しました。

被災された方々には心からお見舞い申し上げます。

現地調査資料が気象庁から公表されましたので、興味のある方は以下のアドレスよりアクセスしてください。

https://www.jma-net.go.jp/sendai/kouhou/houdou/21/20210214_jma-mot_sendai_fukushima_1.pdf

今回の地震は、震源の場所が深かったことから津波の発生がなく、その分被害が少なかったというイメージを持たれがちです。

しかしながら、すでにニュースなどで報道されているので、ご存知の方も多いと思いますが東北・上越・山形・秋田・北陸の各新幹線は、地震発生から4日以上経過しても復旧していません。

これは、鉄道設備に被害が発生したからで、復旧には十日程度必要と報道されています。

今回の地震は、短い周期の揺れが多かったことが確認されています。

この周期の短い揺れは、柔らかいものよりも固いものに大きな影響を与えます。

例えば、新幹線の橋脚は固いものですが、耐震性に余裕をもって作られています。

このため、橋脚や高架橋は今回の地震で揺れても、部分的な損傷程度で大きな被害は受けませんでした。

これに対して、高架橋上にあった電柱などの構造物は高架橋の揺れと電柱自身が揺れることで地面に比べて揺れが大きくなり、

結果として傾いたり、折れてしまったものと考えられます。

つまり、建物よりも電柱などの鉄道設備に被害を与えるような揺れ方をした、ということなのです。

今回の地震は、もうすぐ10年経過する東北地方太平洋沖地震の余震でした。

今回の地震と同程度の余震は、今後も発生する可能性があります。

俗に十年一昔と言います。歳月の流れを10年ひと区切りとして考えることですが、東北地方太平洋沖地震から10年経過したから安心するのではなく、10年経過した以上、次の地震がいつ発生してもおかしくないと警戒して頂ければと思います。

 

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