地盤学会

線状降水帯

線状降水帯という言葉が聞かれるようになったのは、ここ十年くらいの事で気象庁より下記の様に説明されてます。

 

〇次々と発生する発達した雨雲(積乱雲)が列をなした、組織化した積乱雲群によって、数時間にわたってほぼ同じ場所を通過または停滞することで作り出される、線状に伸びる長さ50~300km程度、幅20~50km程度の強い降水をともなう雨域を線状降水帯といいます。

*上の文面と図は、気象庁のサイト内、「線状降水帯に関する各種情報」のページより引用したものです。

一例として、7月10日のNETニュースの記事を紹介します。

 

https://news.yahoo.co.jp/articles/0b1bded10911fb7f4a042d7f1abc0cc7840485b0

皆さんご存知のように線状降水帯は、大雨などに起因する災害に繋がる事があるため十分警戒が必要です。

つい先日も、九州北部、福岡県大分県付近に「線状降水帯」が発生し、非常に激しい雨が同じ場所で降り続き、結果として命に危険が及ぶ土砂災害や洪水による被害の危険性が高まり、被害に遭われた方も数多くおいでになりました。

 

過去に発生した線状降水帯による被害災害発生事例を以下に挙げます。

 

・平成26年8月豪雨

広島市での土砂災害多発で、甚大な被害発生。

・平成27年関東・東北豪雨

関東や東北地方で記録的豪雨となり、多数の浸水被害や土砂災害が発生。

・平成29年九州北部豪雨

福岡県や大分県を中心に観測所記録を上回る豪雨が発生し、洪水・土砂災害によって甚大な被

害が発生した。

・平成30年7月豪雨

西日本を中心に記録的な豪雨になり、広域的かつ同時多発的に河川の氾濫や土砂災害が発生、極めて甚大な被害が生じた。

・令和2年7月豪雨

梅雨前線が九州から東北の広い範囲に停滞し、各地で大雨となり、特に球磨川流域に線状降

水帯が停滞し、球磨川が氾濫して甚大な被害が発生しました。

 

参考資料

https://www.pref.kochi.lg.jp/soshiki/171501/files/2022061500143/file_20226153124652_1.pdf

https://dot.asahi.com/tenkijp/tenki/2022071500056.html?page=1

 

線状降水帯によって現実に大きな被害が生じていますので、気象状況には十分に注意して、線状降水帯情報や気象警報が発令された場合には、速やかな避難などの対応が取れるように準備をお願いいたします。

令和4年7月の線状降水帯事例

線状降水帯発生による大雨で、洪水や浸水に対する警戒が必要になります。

また、大雨時には傾斜地にお住まいの方で、山や崖などが自宅近くにある場合には注意が必要です。

雨が降ると地中に雨が入って、土が重くなります。普通であれば、雨が止んだ後で地中深くに水が浸透していきますので、問題ありませんが、雨が続くと浸透するよりも地中に溜まる水の方が大きくなり、土の重さ+水の重さ=山や崖の重さ、となります。

 

                                                      通常時にはこうした重さに耐えているわけですが、水が入り込んだままとなると重くなった状態のままとなり、場合によっては地上に水が溢れ出ます。これらの重量は全部地盤が支えることになるわけですが、地盤がそこまで重いものを支えられなくなることが多々あります。

 

*本資料で引用した図は、すべて気象庁のサイト内から引用させていただきました。

関連コラム